銀座泰三

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help リーダーに追加 RSS 男のキモノの薦め方

<<   作成日時 : 2008/06/09 15:52   >>

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私は銀座で、余程の雨が降らない限りは大体キモノを着る日が多いのですが、最近男の人でキモノに興味を持つ人が増えてきているような気をしています。
それはとても喜ばしいのですが、いざ買ってみようという段になって、どこへ行って何を買えばいいのか分からないと言う方がほとんどです。

今は男のキモノも以前より見直されて、売っているところも有るにはあるのですが、私の目から見ると、厳しいようですがまともな提案を出来るところは皆無に近いというのが本当です。

キモノを一体どういう場所で着たいのかということがまずは肝心なのですが、そのことをまったく無視して、その人にお金がありそうならすぐに結城の高いものを薦めるとか、越後上布を買わそうとか、まったく着る人のことを考えない売り手がほとんどなのです。
なぜそうなのかというと、売り手がキモノを着たことが無かったり、男物の用途を良く知らなかったりするからでしょう。情けない話ですが現実です。

これは女物でもそうですが、その人の生活の背景を考えないで、何でも売ろうとするから、どこにも着ていけないようなキモノを薦めたりします。

洋服脱いで自宅で和服でくつろぐのなら、そんな結城の上等など不必要ですし、綿でも良いわけです。

ただ最近の人の購買動機は、そういうものではないようで漠然としている人が多いのは確かです。

私の着姿を見てそういう格好がして見たいだとかというようなもので、特定の場所に来ていくことを想像しているものではないようです。

こういう人たちにまず何を薦めるのかは、これからきもののファンになってもらいたいのできわめて重要です。

私はその人の立場、生活などを色々お聞きして、どういうときに着て見たいと思っておられるのか、その人のことを考えてご提案することにしていますが、基本的には初心者にはまずはお召しの上下をお薦めすることにしております。

どうも最近紬を薦める店が多いのですが、紬はあくまで普段着であり、洒落着です。
いくら高い結城でもフォーマルの席に着ていくのは憚られます。

芝居見物や、外食したり、内輪の宴会、街のそぞろ歩きなどには良いのですが、きちんとした茶席や、それなりに格のある席に着ていくのは相手に対して失礼です。

お洒落というのはTPOを良く考えることが基本であり、また着ていく先のことを考えるのがマナーだろうと思います。
それがまた楽しいのです。

ですから色々な席にキモノを着ていこうとしたら、それなりのキモノが必要になってきます。
でもそれほどキモノを着るわけでもなく、そんなに買わないとおっしゃるのならお召しが一番用途が広いと思います。

お召しというのは紬糸でなく高級な生糸を使い、緯糸にお召し緯(おめしぬき)という特殊な強撚糸を使ったものです。
徳川家斉がこの織物を痛く愛でたのでこの名があるといわれていますので、織物としては高級なものと思われていますが、実はそんなに高いものではありません。
私に言わせると紬がべらぼうに高いというのがおかしいし、あまり高価だと普段着でありながら使いにくいのです。

お召しは基本的には無地ですが、最近は紋お召しで洒落たものもあります。

長着(きものの方)に紋を一つでもつけて、袴を着ければ茶道の初釜にも着ていけますし、羽織に陰で刺繍紋をつけて袴を着けることで準礼装として婚礼にもお召しいただけます。

袴をはずして羽織を着て、ちょっと洒落た帯を締めていけば、それなりの場所に出ても失礼ではありません。もちろん歌舞伎座にでも着ていけます。

これからお茶を習おうと思われている方ならなおさらです。
足袋は当然白足袋です。
袴、それも仙台平を着けて色足袋などをしている写真などがキモノ雑誌に載っているのを見ると、ぞっとしますし、本当にキモノを知らないなと思ってしまいます。

私は特に西陣のお召しが好きで、色々と持っておりますし、それを着て銀座をうろうろとしております。

また着方、着姿も大事ですので、そういうことも含めてきちんとお教えしたいので、この秋にでも一度西陣のお召しを中心とした会をしてみるつもりでおります。

それなりの立場の人が外国の要人を迎えるときに、お召しの上下に袴姿などをされたら、相手は喜ぶでしょうし、本当に格好いいのですがね。

京都の和風迎賓館などでのパーティーは是非日本人は全員きもの姿でやってもらいたいものだと思っておりますし、そういう姿を見れば国民も和文化を見直すきっかけとなるかもしれません。

どうも最近殺伐とした事件が続き気が滅入りますし、心豊かな人生を送るためにも、きもの姿をお薦めしたいと思います。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
うちでも最近、男物の着物のお話しが来るようになってきました。大阪では文楽に着ていく等々。
お召しも面白いですね。うちもやってみたいと思っていました。

もずや
2008/06/09 20:23
是非提案してください。
お召しからつむぎの流れというのが、本当は入りやすいのです。
銀座泰三
2008/06/09 21:56
まったくその通りです。初心者の人は「なんとなく」着てみたいという人が多いのです。しかも、一部の店舗だけだと信じたいのですが、売る側の店員が男の着物のこと(寸法の計り方含めて)を知らなさすぎ。。だって、着物着て生活や仕事していないので、知らないはずです。。そして、自分の得意なセールストークで、いかにも安いように説得して買わせようとする。
まずは、店員が自ら着て勉強すべき。。このままでは、せっかく、興味をもちはじめた男性が興味を失ってしまう。。。
若旦那
2008/06/10 11:37
本当にそうなのです。プロ意識の欠如というか、勉強不足が目立ちます。
これからの消費者を導くことが出来ないと、終わってしまいます。
ある意味、難しい仕事ではあってもやりがいのあることだと思います。
貴君もがんばってください。
銀座泰三
2008/06/10 22:03
先日、夏着物展に行ってきました。
上布、自然布が多く展示されてあって、見て面白かったのですが、女店員の一言で興ざめしてしまいました。
葛布の角帯があったのですが、それを触れたときに、「好きではないなぁ」と思ってコメントしたのです。
それにもかかわらず、女店員は「これは締めやすいですよ」なんて。。男の店員が角帯しめて自分の感じたことを伝えるなら理解できるものの、角帯など締めたことがないのに、よくそんなことが言えるものかと思い、
「正直言って、締めやすいとは思いません」と伝えました。そうしたら、ムッと表情されました。
もう、いい加減自分勝手な押し付け商売はやめて、ユーザーの立場に立った商売をすべき。。
かなり腹が立ちました。。
若旦那
2008/06/20 09:12
同感です。私も時々デパートの男物売り場でためしに色々聞いてみると、正に頓珍漢なことを言うおばさんがいたりで、腹立たしく思います。
キモノを滅多に着ない呉服屋が物を売ると言うことから改めないと、つまりは基本に戻らないと、消費者をミスリードするだけですね。
銀座泰三
2008/06/20 11:13

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