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国産の絹のことについての続編ですが、皆さんの中には、すべてでは無いのですが、生地の端に「国産の絹」と言う赤いスタンプが捺されているのに気がつかれたことがあると思います。 その下に字が書いてあるのですが、読み取れますか。 「日本で織られたものです」と記されています。 このスタンプを見て何も知らないと、これはすべて日本の絹を使って織られたものだと思うでしょう。 実際専門店でもそう思っている人がほとんどです。 ところが実は違うのです。 これは中国やブラジルから輸入された糸を、日本で製織したという印なのです。つまりこれは日本の絹織物ですと言うことを示しているのです。 中国では白生地まで作っているので、それとの差別化を図ると言うか、それなりに良い生地ですよと産地としては言いたかったのでしょうが、それななぜこういう紛らわしい表示をするのか、私も理解に苦しんでおります。 確かに一部は緯糸(よこいと)に日本のものを使用している可能性はあるのですが、少なくとも経糸(たていと)に使っていると言うことは無いと思われます。 それでは本当に国産の繭を使ったものはどう表示しているかと言うと、繭の形をした黒のスタンプで「純日本の絹」と表示しています。 こういう消費者にとっても分かりにくいことを、生産者から流通業者までが、何の衒いも無く続けていることが、消費者の不信を増大させているのに、いまだに反省がありません。 先日こんな話を聞いたのですが、あるチェーン店でこのスタンプを見た消費者が販売員に、これは日本の絹を使った純国産かと聞いたところ、その販売員も知らないものだからそれに違いないと答えたのですが、仕立てあがった余り切れの裏にmade in chinaの文字があったのです。 それで揉めに揉めて、結局返品の措置となったようです。 これは製造上のことを良く知らないと説明が付かないのですが、NCの販売員などはそのきものがどのように作られているかなど皆目知りませんし、会社で言われたマニュアルどおりにしか答えられません。 中には勉強する人もいるでしょうが、まあほとんどそんな人に会ったことがありませんね。 このケースで考えられるのは、日本で織った白生地を仕入れた業者が、中国で染めさせたと言うことです。 こういうチェーン店などへ納めているメーカーの中には、現在中国で友禅(本手描きではありませんが)加工もしており、大体は中国製の生地を使ってそのまま製品にまでするのですが、多分このきものは国内で白生地を安く仕入れて、中国へ送ったのでは無いかと想像されます。 製品の輸入時にはそのスタンプを捺すのですが、良く見ないと分からないところにあるので、こういうことになったのでしょう。 まあこういうことも有っておかしくないのですが、どういうレベルであろうとこの赤いスタンプの説明が出来なかったことに問題があるといわざるを得ません。 このスタンプが捺されてからもう数年が経っていますが、やはり大きな誤解を生みますので、産地に考え直すようお願いしておきました。 これから益々生産量が減るであろうと想像できる現在のきもの業界で、いわゆる本物が残っていくためにもより消費者に分かりやすい説明が、すべての段階で求められるでしょうし、特に流通業者はそうした知識の収得に一段と努力をしなければならないと思います。 生産から小売まで、各段階に従事するものが、本当にキモノを来て貰いたいと思うのなら、その立場で考え実践する、いわば当たり前のことを当たり前に出来るよう、より一層の勉強をしていかねばならないと、私自身も痛切に思うこのごろです。 |
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