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週末にまた特急出張で上海に行ってまいりました。 関空を出るときは良い天気だったのですが、27日の上海はこの間フィリッピンに被害をもたらした台風6号崩れの熱帯低気圧があって、中国に近づくに連れ相当揺れました。 ついたら大雨です。 上海の国際空港は現在は浦東地区にありますが、航空需要が激増し、空港ビルもこの春から2つになりましたし、滑走路もすでに2本あり、関空などよりはるかに大きな空港となっています(この空港ビルは確か日本のODAですが、誰も知りません)。 今回はその新しいほうのビルに着いて、さすがに入国検査場も大きくなり、パスポートのチェックはスムースで、ラッキーと思っていたら、なんと税関申告場の前に長蛇の列です。 いつもはほとんどフリーパスで通しているのですが、荷物をすべてレントゲン検査機にかけているのです。 常識では、各国が出国検査で大変厳しくしているのですから、入国時にその荷物を再度レントゲンで見るなどというのは考えられませんし、ナンセンスです。 第一、入国税関検査場にレントゲン検査機があること自体が不思議で、いわば世界の出国検査を信用していないのかと言うことになりますが、中国は昔から有りました。 そんなわけで全員ならばされて、3台ほどの機械でさばいても、ちょうど夕刻でどんどん到着便があって、出るまでに長い時間がかかりました。こんなことは今まで初めての経験です。 アメリカ人なども信じられないといって怒っておりましたが仕様がありません。 これは先日上海市内でバスが爆破されると言うテロ事件があって、それ以来急に厳しくなったと言うことです。 中国はもうじきオリンピックが開催されますが、この時期を狙ったテロが起きるのでは無いかと神経を尖らせているのは分かりますが、世界中から詰め掛ける客にこうした処置を講じると益々中国の評判が悪くなるような気もします。 空港からホテルまでバスに乗るのですが、これが大雨、金曜日、夕刻の退勤時間と重なって、4車線の高速道路なのに、本当に動きません。 工事が甘く、カーブするところには路肩にとんでもなく水が溜まり、多くの動けなくなった車がいましたし、それがまた渋滞の原因になったりで、結局いつもなら1時間でいけるところなのですがなんと2時間半もかかってしまいました。 この間の地震のときにも露呈しましたが、中国でのこの数年の突貫の公共工事は素人の私が見ていても、実に基準が甘く、高速道路の支柱も日本よりかなり細かったりで、こうした大雨の排水も良く出来ないようです。 急速な経済成長を支えるインフラ工事が甘いと言うのは日本もそうでしたが、将来大きな禍根を残すことになるのでしょう。 次の日は曇天ながら雨も止み、蘇州の管理工場から来てくれた人たちと商談しましたが、やはり物価高に伴い加工賃の上昇を止めることができません。 当社は古くから仕事をしていますから、工場もかなり協力してくれてはいますが、職人さんに今まで以上に払わないと仕事をしてくれないと言う現実は致し方なく、当面頭の痛い問題です。アパレルなどはもっと深刻で、かなり遠いところまで工場を探しに行っているようです。 当社の高級品の生産は従来からあまり数量は無いので、同じようなペースで推移しているのですが、値ごろ品で数を作る業者の発注は、今年になって激減しているとのことでした。 変わりに韓国からチョゴリの刺繍の仕事などが入っており、本当は受けたくないが職人に仕事を与える意味では仕方が無いとこぼしていました。 それよりも今の上海近辺の人たちにとっての一番の関心事は、暴落した株のことです。 今年のサブプライムローン問題に端を発した世界時同時株安は、成長中のアジアにはかなりのダメージを与え、上海の株、ベトナムの株も昨年の高値より、60%ほど下落しています。 上海の旧知の若い人も、私にいつまで下がるのか、日本のバブルのはじけたときはどうだったか、オリンピックの後はどうなるのか、そんなことばかり聞いてきます。 私は去年に欲をかかないでもう売った方が良いとアドバイスしていたのですが、ほとんどの人が塩漬け状態のようです。 中国人は昔から賭け事が好きで、上海の株式市場は、個人投資家が7割以上と言う異常な情況です。 年金や退職金を全額投資したり、非常に怖いことを平気でする人が山の様にいるのです。 不幸なことですが今年になって上海の高層ビルからの飛び降り自殺が多発しているとのことで、過去には一度もそういうことが無かったそうですから、繁栄につきものの陰の部分が、急に露見し始めたと言うことでしょう。 中国は現在資本主義経済であることは間違いありませんが、国は社会主義を標榜し、一党独裁を続けているだけに、世界に例を見ない、複雑で理解しがたい部分があります。 日本が30年かかってやってきたことをたった10年でやろうというのですから、色々無理が有るのは確かで、政治家も本当に資本主義経済に慣れているというわけでもありません。 何かあれば強権発動して押さえ込むと言うような国の経営は、もう限界に来ており、地方との格差も開くばかりで、上海でもそういう有様ですから、国民の不満やフラストレーションはかなり増大しておると思われます。 ですから何かあるとすぐに爆発しますし、本当にオリンピック以降の経済政策は難しい舵取りを迫られるでしょう。 地震で発覚したおから工事、今回の株安などで急速に現政権の評判が落ちています。元来中国国民は政治批判など出来なかったのですが、いまは平気です。 まあ古今東西、どの国でも国民の財布が潤っているときには何も言いませんが、そうでなくなったときには政治家はその批判の的になるのです。 中国の怖いのは、国民全体が欲の塊であると言うことは当然ほとんどの役人や政治家もそうであることは間違いなく、金や利権をめぐって多くの事件が勃発するでしょう。 日本や世界との協調も中国が自らの私権をどれだけ押さえられるかということに尽きるような気がします。 完全な仏教国なら釈迦の言う少欲知足が浸透していたかもしれませんが、中国は現在無宗教で、国も宗教活動を弾圧しており、特に若い人に信仰がなく、それもまたこれから大きな問題を引き起こす素地となるのでは無いかと思います。 私は中国流では60歳で老年の粋に達しており、中国ではほぼ引退しています。経済を支える中心は若い人たちで、そのおかげで急速な改革成長が有ったことは事実ですが、曲がり角に来たときの智恵や哲学、思想が無いだけに、よけいに自己中心的な考えが増大すると思われます。 世界の工場であり、世界最大の消費国となりつつあるこの国が、どのように歩んでいくのかは、特に隣国の日本に与える影響は、計り知れなく気になるところでしょう。 日本政府もアメリカの顔色を窺うばかりのような事をやめて、もっと中国との意思疎通を図るようにすることが国益に通じると私は個人的には考えております。 長くなりましたが最近の上海情勢の一端でした。 |
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貴重なレポートを読ませていただき、ありがとうございました。 |
七兵衛 2008/06/30 16:29 |
七兵衛様 |
銀座泰三 2008/06/30 18:39 |
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