銀座泰三

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help リーダーに追加 RSS ティッピングポイントという言葉をご存知ですか

<<   作成日時 : 2008/07/18 18:23   >>

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最近よくティッピングポイントという言葉を聞きます。
これは、あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間というように定義されていますが、色々な社会現象にこの言葉が使われています。
この言葉には良い意味もあるのですが、悪い意味でも良く使われます。

一番目にするのがなんと言っても地球の温暖化に関してのことで、要するに地球環境が悪化し、これ以上進行するともう後戻りが出来ないというぎりぎりの時点はいつなのかというようなことに、この言葉が使われていました。

識者によれば、地球温暖化に関しては実はもうこのティッピングポイントを越えているのだそうで、爆発的に温暖化が進行していくだろうと言われています。

異常気象現象は際限も無く毎年世界中でのべつまく無く起こり、多くの人命が失われ、温暖化をめぐる各国のエゴがむき出しとなり、地球規模での環境保全とは口で言っても、排出権取引などという理解しがたい金銭での解決方法が考えられたり、本当に今この地球に住む人は、真剣にこの環境悪化にどう取り組もうとしているのか、分かりません。

ティッピングポイントを超えているとしたら、小手先の温暖化防止策ぐらいではその進行は止められません。実に心配なことです。

私は、きもの業界でも同じことでは無いかと危惧しているのです。

今各産地、各段階で廃業の話を次々と聞きますが、これも一種のティッピングポイントを越えてしまったといえるのではないでしょうか。

今ものづくりの段階は未曾有の不況のところが多く、この先の回復も当分望めません。
良くなるよりはもっと悪化するであろうという、弱気が充満しております。

以前はこういう時があっても、我慢していればまた再び上昇過程に入るだろうと思って、じっとしていました。現実にそのような景気変動を何度か繰り返してきたのは事実ですが、
今きもの業界を取り巻く環境は、かつてとは違うと思います。

一頃よりはキモノを着る人は増えても、新規のものを買う人は減り、着る機会も限定的で広がりません、というより減っています。リサイクルでの購買も、ネットでの残りものの購買も社会的に認知され、流通環境も大きく変わってしまいました。

過量販売の咎めを受けて、多店舗展開をしてきたところは経営の危機を取りざたされており、大量生産、大量販売という構図はもう描けません。

したがって従来からの構造の中でのみ生きることの出来るような産地や業者は、経営者の高齢化、後継者難もあってこのところついにという感じで辞め始めており、このことはずっと指摘しているところですが、
恐ろしいのはまるで雪崩を打ったように、そのことが広がることです。

だんだん私が知っているような名のあるところまでが、辞めていくというニュースが聞こえ、
これは先ほどから言うティッピングポイントを越えてしまっているのだろうと思われます。

この風潮には益々拍車がかかり、急速に業者は消滅していきます。
現在はまだ廃業できるというか、その余裕があるところですが、この後に考えられることは、辞めたくても辞められない、銀行借り入れも多く、担保力も無く、追加融資を受けられないから仕入れ先に金を払わないことで延命しているところなどが、堰を切ったように連続して倒産して行くことです。

私はかなりそういう危険性があり、現実のものとなるであろうと考えています。

仕入れ先を馬鹿にして、とんでもなく金も払わないような経営をしている専門店や問屋はいずれすべて倒産します。
作り手がどんどんこの業界に見切りをつけて去っていくと、こういうところには商品が回らなくなり、嫌でも手を挙げざるを得ないのです。
こうしたふざけた経営者には銀行も金を貸しませんので、余程個人資産をつぎ込まない限りは延命は不可能で、私の経験から言うと、こういう経営者は個人資産を隠しますし、結局、社員や仕入れ先が泣くだけです。

そして最も迷惑をするのお客様でしょう。

10年前くらいから、有名老舗問屋、専門店の倒産が相次ぎましたが、これから来る淘汰はそんなものでは無いような気がします。

こういう危機をあまり消費地の流通業者やキモノ初心者は気が付きませんが、現場を見ている私は決して大げさな話ではないと思っています。

こうした淘汰が来るであろうという予想に対してどんな対策を講じるか、どんな戦略を立てるか、先を見て真剣に手を打つべきだろうと思います。

面子などにかまっているような時ではなく、早い目に経営の健全化、正常化、そしてものづくりの道の確保を考え、提携すべき時です。

私は本当に微力ですが、幾許かのお手伝いができるかもしれませんし、先を見て物作りをされていく方とは情報交換を怠り無くしていこうと思っておりますので、遠慮なくお便りください。
ブログコメントが書きにくいのなら、ホームページからお入りください。

しかしそれにしても今日東京は猛烈に蒸し暑く、体調不良です。
皆さんもお気をつけ下さい。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
ほんとそう思います。
もう待ったなしですね。
心ある作り手の品物をきちんとしたルートで流していくように
力を尽くしたいと思っています。
そのためには同志のチームを結成し、力を合わせて現状に立ち向かっていかねばならないのではないかと、考えて居ます。
もずや
2008/07/20 22:50
同感です。
ものづくりの道を閉ざさないように、作り手と手を取り合って、また志を同じくするものが手を執り合うことは是非とも必要です。

心配なのは危機感は通り過ぎ、厭世観からただの先送りをしている企業が多いことです。マインドの低下をどう喚起するか、なかなか難問ですよ。
銀座泰三
2008/07/21 12:49
着物については亡母からの断片的な知識のみの私ですが、それでも長女の成人式の着物については母に視てもらい何とか恥をかかずにすぎました。母が死んでからは自分にその知識が全く無いことに気付き愕然としています。着物のティッピングポイントも確かに現実の問題としてマスコミも騒ぐべきでしょう。情報社会の今日、公式・非公式・普段着等TPO毎、産地別・銘柄別に質と販売量とに分けて上位ベスト10程度の着物・帯等の問屋・呉服店の銘柄をミシュラン本のように具体的に出来ないのでしょうか?日本の出版社が不可能であるならば外国出版社が外人対象に作っても良いかとおもいますが…男の隠れ家雑誌等出版社の方の意欲的な企画を待ちたいものです。
諦念元銀行員
2008/07/22 17:23
そうですね。難問だと思います。
作り手にとっても売れる事が一番の勇気づけになると思うので、
良い作り手を見いだして、そこの作品を私の持っている販路にのっけて
信用ある販売先に最短でつなげる様にしたいと思っています。微力ですが、はじめる事が肝心と思っています。
とりあえず、自分に出来ることからはじめていけば、必ず道は開ける、そう信じて頑張ります。着物に関する物作りの技術を失っては、それこそ日本人は世界の笑いものになります。
もずや
2008/07/22 19:09
諦念元銀行員様
きわめて常識的なご意見で、同様のことを以前にもご指摘いただいております。本音を言えばそういう格付けがあっても何もおかしくありませんが、ミシュランの調査員の教養やレベルをとやかく言われるように、だれか特定の人が評価をするというのは難問です。
キモノを買ったこともなく、着もしないマスコミの編集者が書くようなことは最も浅薄ですし、権威たるものは存在しません。

キモノが好きになって買いたいという消費者に、キモノを買ったことが無い、キモノはほとんど着ない、持っていないという売り手や、出版社が間違った情報を発信するという奇妙奇天烈な業界です。

消費者は労を厭わず、こまめに色々な販売店を尋ねてみるしか本当の情報は集まりません。まあ現場を見ること、それに尽きます。
数多ありふれた情報過多の時代を生き抜くには、自ら勉強することだと私は思っています。

ただ正しく導くものは、諦めないでその消費者の情報収集の選択肢の中に入るような、自らの発信をすべきだとは思います。
貴重なご意見を有難うございます。
銀座泰三
2008/07/22 21:58
もずや様

貴兄もお感じになっているように、産地の危機感、あせり、厭世観を安堵させるためには、おっしゃるように真面目な流通を通じて販売することに尽きます。
その立場にいるものの努力、勉強に尽きますね。
がんばりましょう。
銀座泰三
2008/07/22 22:06

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