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またも暗い話で恐縮ですが、先日、創業100年以上の老舗の呉服店が2軒連続して倒産しました。 1軒は三重県桑名市で、明治26年創業で、洋服と呉服で、愛知県、岐阜県に渡って20数店舗のチェーン展開をしていたようです。 大分金払いが悪くなっていたようですが、それにしても月末いきなりの破産申請です。 負債総額は23億円だそうで、室町のいわゆる大手問屋が数多く被害にあっています。 もう1軒は石川県七尾市で明治24年からの老舗で、現在3店舗の展開をしていたそうです。 ここも取引は室町の大手問屋がほとんどです。負債総額は4億6千万円。こちらは民事再生で申請していますが、通るかどうかは微妙です。 共に問屋との取引も長く、寝耳に水のいきなりの倒産で、驚くと共にあまりの仕打ちに全員怒っています。 原因は出店コストと、売り上げ減ですが、取引している問屋を見るとそのビジネスモデルはまったく同じです。いわば催事中心の販売で、ローンを組み、手形を切っています。 実はそれ以前にも広島で同じような倒産が有りました。 共通しているのは通称ローカルチェーン店という存在です。 愛染蔵、たけうち倒産以降、過量販売の咎めを受けて、ローン販売に規制がかかり、チェーン店は軒並み売り上げが急減しており、各チェーン店も不採算店の閉店などのリストラが進行中ですが、こうした地方で同じような展開をしていたところが相次いで倒産の憂き目にあっております。 室町の問屋が仕掛けてきた、催事企画販売、ツアー販売で、その価値も無い値で高額のローンを組んで来たと言うところが、その付けが回ってきたというのが本当のところでしょうか。 老舗呉服店が真面目な商いに徹しておれば、例え不況といえども乗り切れると思うのですが、売り上げ増を狙った多店舗化が、取引問屋を変えることとなり、商いの姿も変わってしまいました。 かつては良質な上物をこつこつ商っていたところが、代が変わって今の経営者になって効率的な経営を目指すがために逆にこうした結果を生んでいます。 金融機関はある程度担保をとっていますが、問屋はそうしたことをしませんし、丸々の被害です。もっと問題なのは、その店にあった在庫が、また捨て値で流通に還元していくことで、特に同じ物を作っている織物などは、それがゆえにまた値が崩れてしまいます。 室町の問屋は、たけうちの倒産で競合店の売り上げが逆に伸びるだろうと思っていた節があり、そのビジネスモデルに対しての反省や改革がほとんど見られず、同種の小売チェーンに連続して倒産されているという事態に、この先どうして良いかまったく分からないというのが現実です。輪をかけて通販業者の呉服宝石の催事販売なども軒並み撤退で、売り上げ減に歯止めはかかりません。 来年からは、カードの分割払いにも規制がかかり、また高額な景品付き販売も禁止されるということですし、京都などへの招待旅行付き販売などもやりにくくなるのでは無いかと言われています。 したがって各チェーン店も店舗販売強化などを謳っているようですが、商品力も低く、商品知識のない販売員のマニュアル売りが大半だっただけに、これは難問です。 しかし考えてみれば、きもののことを知らない販売員に売らせてきたことが異常なのであって、これからは消費者思考の当たり前のことが出来るところだけが生き延びていくのだろうと思うと、至極まともな方向にシフトしていくのでしょう。 チェーン店の凋落は、そこに客をさらわれていた、従来からの真面目な専門店や、デパートにチャンスが巡ってきたという見方もできるのですが、こちらは廃業や閉店が続いており、その方面を担当する問屋も苦境は同じです。 潜在的なきものへの需要はまだまだあるとはいうものの、専門店のあるべき姿に戻さないと、売り上げの減少は避けられません。 自らの好みのものをリスクを張って品揃えし、問屋との協力関係をより強化して、新規客の開拓に知恵を出し汗を流すという、これもまた極めて当たり前のことが出来るところしか残っていけないでしょう。 そのように消費者と仕入れ先を大切にされた商いを続けてこられたところは、それなりの結果を出されています。 確かに金融不安、政治不信、景気の悪化など内外をとりまく諸情勢は極めて厳しいですが、欲をかかず不器用でも糞真面目に商っていくところには、お客様が集まることとなってほしいと思います。 専門店筋へのもの作りも現在減少の一途となり、きものや帯の生産は過去最悪の状態で推移しております。 私共が従来から作り続けてきた高級フォーマル品は特に少なく、市場に新製品が姿を消しつつあります。 当社では変に最近黒留袖の高級品や、チェーン店のものとは一線を画す当社の上品な振袖への注文が増えていますが、これは市場にそうしたものが如何に少ないかということだろうと思います。 欲しいというお客様が潜在的にはおられても、作り手との間の橋をかける専門店やデパートの尽力なくしては、生産が途絶してしまうのは自明の理です。 現在ほとんど主流となっている委託販売だけでは、作り手のリスクは増大する一方となり、在庫を減らしたり生産を減らすのはいた仕方がありません。 リスクを或る程度は張って、消費者のニーズに対応できるようにしていかないと、折角の来店客を取り逃がしてしまうでしょう。 超構造不況業種と呼ばれて久しいきもの業界ですが、作り手が元気になること以外には将来は無いのです。 いつでも電話一本で商品が潤沢に取り寄せられるという時代は終わっています。マメに問屋や生産者の情報を自ら取りに行かないと、老舗というカンバンだけではお客様は去っていきます。 品揃えの個性化、強化という当然の努力に真剣に取り組んでもらいたいと思うこのごろです。 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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それにしても、あれだけ引っかかって、室町勢はよく持ちこたえていますね。摩訶不思議です。多いところは全部で数十憶引っかかっているのではないですか?ノーガードでパンチをもろに喰らっても、倒れない・・・まさに『あしたのジョー』ですね。 |
もずや 2008/10/03 21:26 |
本当ですね。まあそれほどではないでしょうが、ジャブを連発で食らって、頭が朦朧としているので、正常な判断が出来なくなっている可能性はありますね。もう一発強いストレートかアッパーでも当たるとKOでしょう。なまじのリストラくらいでは間に合わないでしょう。 |
銀座泰三 2008/10/03 22:48 |
こんにちは。初めてコメントさせていただきます。 |
ふっきゃらくん 2008/10/10 11:24 |
まさに同感です。この業界は信用を旨として商ってきました。だから長い手形でも受けていたのに、確かに代が変わって、綺麗に払うのが馬鹿らしいと堂々と目の前で言うような連中が山の様にいます。 |
銀座泰三 2008/10/10 13:49 |
偶然に銀座泰三さまのブログを拝見することができまして、 |
クマくん 2008/10/16 17:28 |
お役に立てるのかどうか分かりませんが、これからも色々と情報発信はしていきたいと思います。 |
銀座泰三 2008/10/16 22:30 |
紺忠は多角店舗展開しすぎでしたね。お客様は「いらない」といいつつ婚礼が決まれば、買ってくれましたが、これからは結婚が決まっても着物をそろえずに嫁ぐのが当たり前になってくると呉服業界は業界として存続が危ぶまれますね。 |
きものばなれ 2009/06/30 01:03 |
きものばなれ様 |
銀座泰三 2009/07/01 10:22 |
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